延命治療を拒否するためにできること5つ

どんな人でもどんな人生を送ってきても最後は誰にでも必ず”死”が訪れます。

その最後の”死”をどこでどんな状態で迎えたいのか、必ず希望が全部叶えられる訳ではありません。

しかし”死”について家族に希望を伝えておくことで、ある程度の希望が叶えられる可能性もあります。

もしもの時の延命治療を拒否するためにできること、やっておくことを終活の専門家 終活水先人 ココロノテが説明いたします。

 

1、事前に家族へ伝えておきましょう

こんな調査があります。

この中で出てくる一般国民とは、医療従事者・医療関係者を除いた国民のことです。

「本人の意思」を明確に伝えましょう

調査を見ると全く家族と話し合っていないことがわかります。

そして意思決定の書面の作成の重要性を知っていながらも作成していないです。

”死”について考えるのも言葉にするのもつらい気持ちわかりますが、何かあってからでは後悔することもあります。

親戚や知人が亡くなった時や本人が入院した時などの機会に家族との話し合いを持ってみると良いです。

2、エンディングノート

こんな時エンディングノートが役立ちます。

話す機会が無かった、タイミングを逃したなどの場合にはエンディングノートを活用しましょう。

いつどんな時に訪れるかわからない『もしもの時』に備えてエンディングノートを記入しましょう。

 

記入しましたら、家族にエンディングノートの存在、保管場所を伝えておきましょう。

エンディングノート書けない場合はこんなことを聞いてみましょう。

エンディングノート書けない、書く機会がなかった、エンディングノート記入拒否された、などの場合にはこんな項目を話し合う、聞いておくと良いと思います。

病気の告知について 余命・残された時間を詳しく教えてほしい
病名のみ教えてほしい
何も知りたくない
急変時(心停止・呼吸停止) 希望する
希望しない
今はわからない
延命治療について できる限り延命治療を希望する
痛みを取り除く緩和ケアを希望する
尊厳死を希望する
リビングウィル(尊厳死の宣告書)を書いてあるので尊重してほしい
終末期について
終末期をどこで迎えたいか 自宅に戻って迎えたい
施設で迎えたい
入院希望
今はわからない
経口摂取が困難な場合、何を望むか 自分の口から摂取できる分だけ
胃ろう
経鼻経管栄養
今はわからない

内容はエンディングノートからの抜粋と悩みそうな項目を選びしました。

 

3、尊厳死宣言公正証書

公証役場で作れます。

過剰な延命治療を打ち切り自然の死を望む人が増えています。
「尊厳死宣言公正証書」が作成されるようになりました。

  • 自らの考えで尊厳死を望む
  • 延命措置を差し控え中止する旨などの宣言

公証人がこれを聴取して公正証書にします。

「公正証書」でも必ず実現できるとは限らない

法的に有効な公正証書ですが、作成されても必ず実現できるとは限りません。

理由は尊厳死についての罰則規定がないこと。

治療義務がない過剰な延命治療に当たるか否かは医学的判断によらざるを得ない面があること。

しかし医師に聞かれたときに出せるように信頼できる肉親に尊厳死宣言公正証書を託しておくと良いでしょう。

4、リビングウィル「尊厳死の宣言書」

日本尊厳死協会で作れます

「自分の命が不治かつ末期であれば延命措置を施さないでほしい。苦痛を和らげる緩和ケアは行ってほしい」
という文章で表しています。

日本尊厳死協会が啓発事業を行っています。

尊厳死の宣言書

1、私の傷病が不治で死が迫っているとき、単に死期を引き延ばす措置はお断りします。

2、ただし私の苦痛を和らげるためには十分な緩和医療を行ってください。

3、回復不能な持続的植物状態に陥ったときは、生命維持装置を取りやめてください。

5、事前指示書

自分で作成できます。

  • 自分が作成したいと考える文書形式(フォーマット)を入手し、自己で作成します。
    医療機関ホームページからダウンロードしたり、役場で書類を提供している所があります。
  • 書面に沿って自分の意思を記入していきます。
    医療代理人の数を増やしたり、内容を変更するのは可能です。
  • 記入ができたら信用できる肉親へ預けるか保管しておき、もしもの時に出せるようにしましょう。
    何度も書き換えができるのでその時に感じた意思を書きましょう。

必ず記載する項目は、 2つの機能の記載が必要です。

1、代理人指示とは、自分に判断能力が無くなった際に、自分の医療やケアについて代わりに判断をしてほしい人を明示しておく機能
「医療代理人」

2、内容的指示とは、リビングウィルともいわれ、個別的な医療やケアの内容について、その医療やケアを受けたいか受けたくないかなど、自分の意思をあらかじめ表明する項目

  1. 心臓マッサージなどの心肺蘇生
  2. 延命のための人工呼吸器の使用
  3. 抗生物質の強力な使用
  4. 胃ろう増設による栄養補給の可否
  5. 鼻チューブ(経鼻からカテーテルを挿入し経管栄養材を投与する)からの栄養補給の可否
  6. 点滴による水分補給
  7. その他の希望

基本的な希望として、痛みや鎮痛に対する希望や、最期を迎えたい場所について記載する欄がある場合もあります。

まとめ

病院に運ばれても話せる状態なら、その時々に直接確認ができますが、できない場合、もあります。

医療機関(病院)は延命を前提に治療をするので点滴やカテーテルなど身体に医療器具が入れて治療をしていきます。

ご本人がそれを望んでいるのなら良いですが望んでいない場合はつらい状態が続くことになるかもしれません。

家族としては難しい選択を迫られ、その選択が正しいのか後悔することもあります。

家族の誰かが反対意見を出した場合、医師は延命措置を進める場合があります。

本人と家族との間での意思を統一しておくことが最重要です。

残念ながら現在の日本の医療機関では、延命措置をやめるとか尊厳死を積極的に行うことはあまりありませんが、
エンディングノートや書類を作成しておくと選択を迫られた家族の指針になると思います。

終末期医療についてはこちらの記事に
終末期医療 延命治療・尊厳死・安楽死・緩和ケアについて
意識が無い家族へ延命治療の胃ろうを勧められた時に確認するべき事・話し合うべき事
にまとめてありますのでお読みください。

エンディングノートについてはこちらの記事
終活といえばエンディングノートですが・・・
にまとめてありますのでお読みください。

相談したい、話を聞いてほしいなどありましたら終活水先人 ココロノテにご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

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